10. オリンピックの問題ととプロ意識

僕がスノーボードのプロと言う話になると、必ず言われるのが、『じゃあ〜オリンピックとか〜、、、』と言う言葉です。
オリンピックについては、色々あって目指さなかった。
そのいろいろをここで話そうと思います。
僕がオリンピックを目指さなかった理由は、左の新聞に書いてある通りで、『スノーボードをスキーの種目として行う』と言う事だったからです。
一般の人のスポーツのイメージは良いものだと思いますが、大きな組織の大きなイベント(大会)には大きな利権がある為、ドロドロした世界でもあり普通では考えられないような事が起ってしまうことがあるのです。最近の例で言えばサッカーのW杯でもチケットの問題は誰でも知っているとおもいます。スノーボードの問題としては、当事スキーの人気が落ちてきたとこで、本来では新種目としてはすぐに行えないという理由から『スノーボードという新しい競技ではなくスキーの種目としてやってしまえ!』といるある意味ヤクザな、海外で言えばマフィアな意見がでて、それが国際オリンピックの議会で通ってしまうから恐ろしいのです。スノーボードの将来も、スノーボーダー達の権利も考えずに勝手に決めてしまうのが僕は許せなかったのです。プロ意識としてはオリンピックに出るのもプロだし、出ないのもプロだと僕はおもってました。『やはりプロならオリンピックにでてスポンサーや自分のアピールをするべきだ』というプロ意識と、『俺はスノーボードのプロだからスキーの種目には譲れない!スノーボーダーの中でもプロという影響力ある立場なので、自分の利益をすててでも出ない』というのもプロ意識で、その間をとって、『出てそこで批判などをする』という人もいた。しかし出てしまうと批判しようと思っても、巨大な組織におびえるメディアはすぐにカットしてしまうので表には中々出てこなく出たくて出てる人に見えてしまうのが悲しい事実です。
僕はどうしたか?ていうのは新聞を呼んでもらえば判るが、まず僕の目標は日本ではチャンピオンになっていたので、ワールドランキングの16位以内というハッキリしたものがあったのと、小、中とサッカーをやってきたのもありオリンピックよりもワールドカップの方が圧倒的に上って言うのが根本的にあったし、ワールドランキングの目標を捨てなければ出れないオリンピックなんて価値はないものでした。しかし、もしFIS(世界スキー協会)のツアーに関係なく、代表選考会で選手を決めるのなら、僕ももう少し迷っていたかも知れないが、日本のスキー協会と日本オリンピック委員会は、密接につながってるので、PSA(スノーボード選手会)からの代表選考会の申し出も考えてくれるわけなんて少しもなかった。常識のまかり通らないドロドロの汚い事が、華やかなスポーツの裏では、起こっているのです。今でも『出ておいた方が良かったんじゃないの?』なんて言われたりしますが、僕は全く後悔してないし、スキー協会の大会に1ども出なかったGoriponを誇りに思っています。ソルトレイクオリンピックのショートトラックでは韓国の選手が、金メダルから失格になってしまった事を、韓国人は忘れずサッカーのワールドカップでゴールを決めた時にスケートのポーズをとりました。しかしそのシドニーオリンピックの時に何人のスノーボーダーがこの事実を知っていただろうか?『スキー競技のスノーボード』を、、、、僕達スノーボーダーもこういう事実があったと言う事はいつまでも忘れずに、語り継いでいかなければいけない問題なのだと深く思います。ややこしい問題でもあるので賛否両論あると思いますが、このコラムを読んで理解をしてくれた人は他のスノーボーダーにも伝えていってくれる事を願います。

2002/8/21 Goripon